本/学力をのばす美術鑑賞VTS
一言メモ:1990年代にMoMA(ニューヨーク近代美術館)の理事会を起点に、フィリップ・ ヤノウィンとアビゲイル・ハウゼンが骨格を作った、学習メソッドです。ジャン・ピアジェの知能の発達段階理論をベースにしています。教材に絵画作品を使うことで、子どもたちが学習する楽しさを身に着けることができ、その経験と学習方法を身に着けることで、数学や国語など他の教材を主体的に学べるように促すのが特徴です。
もとはMoMAで大人向けの美術教育(美術を使った生涯学習)のプログラムからはじまっていますので、大人の人にもその恩恵が期待できます。
MoMAの近く、セントラルパークにあるメトロポリタン美術館の調査では、来場者の作品鑑賞時間は1点あたり「30秒」という結果でした。
ハウゼンの分析では、一般的な人の美的感覚の発達段階は5段階のうちの1段階か2段階です。どうやったら、より上の段階に発達していけるのか。人生を豊かにするための美術鑑賞のヒントが書かれています。
もっとも分かりやすいヒントは「30秒」を「10分」にしてみるということです。
抜粋:p7
・・・こうした授業を1年に10回行うだけで。学習者たちにさまざまな力がつくことを、その理論的背景、そして数々の実践例を紹介しながら説得力をもって私たちに語ってくれています。VTSを介して彼らが身につけていく「複合的能力」とは、観察、解釈、根拠をもった考察、意見の再検討、そして複数の可能性を追求する力などです。
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