ものの見方を考える
2025年2月2日の哲学対話では、個人と集団の関係が話し合われました。「空気が読めない人」が自分の場合と空気の側にいる場合(集団の一員)で、状況の見え方が変わるという指摘がありました。それを一般化して図式化してみました。
対話の図式です。A・Bは個人の考え方の範疇(領域)を表します。共通認識となるのは図中の「A&B」です。抽象概念、例えば「美しい」ということについての意識は、この図の程度には食い違いがあるのが普通です。哲学対話の目的の1つは「A&B」の確認に留まらず、「A(B)」から「A&B」を引いた残りの部分を理解しようとすることにあります。これが「共感」の基盤になります。
2月の哲学対話で見えてきたのはこの図式です。高校の数学では「集合(A)と補集合(B)」として学習します。どちらの側に立つかによってものの見え方、感じ方が変化します。
上記の見方・考え方をさらに広げたものが「コップ理論」と「ルビンの壺」です。
前者はコップに残った水が半分になったとき、「まだ半分も残っている」と捉えるか「もう半分しか残っていない」と捉えるか、人によって異なることを利用した心理テストに使われます。「ルビンの壺」はその視覚的効果を理解するのに役立ちます。だまし絵の一種ですが、この図をぱっと見た瞬間に「壺」と思うか「人が二人向かい合っている」と思うか、注意(意識)をどちらに傾けているかによってものの見え方が変わります。
以上のことを踏まえて、物語化したものがときどき紹介される「ロバと老夫婦」の物語(比喩)です。
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